配線のイロハ †
さて、ソコソコ出来る車イジり好きでも挫折するであろう部分がハーネスの接続である。
俺はクソガキの頃からハンダゴテ握って色々こしらえてきた人間だからして、ハッキリ言って
ラクショー過ぎてダルい~
というのがホンネ。
けどGX70GにJZA70エンジンという組み合わせは、配線が出る位置があっちこっちに変わるので、結構最適化を考えないと難しい。
俺はエンジン始動自体はチンタラやって2〜3時間で完了したけど、完璧に仕上げるのには結構手間掛かってしまった。
しかしまあ何を説明したら良いのか良くわからんが、とりあえず要点をサラサラっと書いてみようかな。
トヨタの場合、エンジンハーネスをそのまま引きずり出し、ECUを接続して、必要な電源を入力し、フェールポンプを回してセルを回せばエンジンはとりあえず動く。
というのも、エンジンハーネスにECUを接続した状態で、必要な線の80%・・・いや、90%程は何もイジらずとも接続されているモノなのだ。
残りの10%は、色々な電源とエンジン以外についてるセンサーやスイッチ類、イグナイターやフェールポンプの制御、メーターのインジケーター出力や点火のパルスくらいしか存在しない。
そういう判断はどうやってつけるのかと言えば、ハッキリ言ってフェールインジェクションシステムを理解した上で配線図を読むしかない。
まずはECUを基準に配線図を眺め、真っ先に
電源がどれか?
どんな電源が必要か?
を拾い尽くすのである。
次にエンジンに付いているセンサーやモーター、ソレノイド類は殆ど線が繋がっているモノと考え、残った線は繋がっている先に付いてるモノから一体何をする線かを考えて行く。
この時点で何が必要かが見えてくるので、バラックでエンジンを始動する事すら可能になる。(笑
ここまで来れば、エンジンを回すのに必要な電源や光らせたいランプの線を、車側のハーネスから拾ってきて繋ぐだけで良いのだ。
と言ってみても、電気のイロハも知らず、フェールインジェクションの構造も知らなければ、眺めてみたトコで何も解らないだろう。(^^;
とりあえずECUに対しての理解を深めてもらう為に、ECUの各線の説明なんかをやってみようかな。
信号名 | IN/OUT | 内容 |
STA | IN | エンジン始動信号。キースイッチのSTAに接続。 |
BATT | IN | バッテリーバックアップ電源。12V |
MREL | OUT | EFIメインリレー駆動出力。ECU全体の電源のオン・オフを制御してる。 |
+B1 | IN | ECUの主電源。12V |
+B | IN | ↑と一緒。何故分けてあるのはか知らん。 |
THW | IN | 水温センサー入力 |
THA | IN | 吸気温センサー入力 |
VTA | IN | スロポジセンサー入力。多分アクセル開度(無段階or全開) |
IDL | IN | スロポジセンサー入力。アイドリング状態を検知。 |
IDL2 | IN | アイドリング状態を見ている・・・ハズだが、使ってないのかアースに接続されてる。 |
E2 | - | センサー系のアース。 |
VCC | IN | センサー系の電源出力。多分+5V |
PIN | IN | バキュームセンサー入力。吸気圧を見てる。 |
VTA2 | IN | 不明。何してるんだろ?センサー系電源のフィードバック? |
EVP | OUT | EVPソレノイド出力。何してるのかは知らん。(ぉ |
FC | OUT | サーキットオープニングリレー制御出力。ECUが異常を感じたら燃料を止めたりする。 |
KNK1 | IN | ノックセンサー入力1つ目。ノックセンサー=マイクみたいなモン。 |
KNK2 | IN | ノックセンサー入力2つ目。で、マイクでノッキングの音を聞いてる。 |
HT | OUT(多分) | 多分O2センサーのヒーターをコントロールしている・・・ハズ。もしかしたら温度センサー? |
OX | IN | O2センサー入力。論理空燃比を計測し、フィードバック制御する。 |
E1 | - | コンピューター自身のアース |
TE1 | IN | ダイアグモード1設定用 |
VF | IN | 何だっけ?とにかくダイアグ。 |
CC0 | IN | 排気温センサー入力。触媒についてるヤツ。 |
TE2 | IN | ダイアグモード2設定用 |
TT | IN | 何だっけ?点火時期設定用だっけ? |
FP | OUT | フェールポンプリレー制御。低負荷時にポンプの回転数を落として静かにさせる制御。 |
#10 | OUT | インジェクター制御 |
#20 | OUT | インジェクター制御 |
#30 | OUT | インジェクター制御 |
NSW | IN | ニュートラルスイッチに接続(AT)。コレに12Vが入ってないとエンジンが始動しない。MTのコンピューターには無かった覚えが・・・ |
ISC1〜4 | OUT | ISCバルブ制御用。アイドリングのコントロール。ステッピングモーターなのね。 |
W | OUT | エンジンチェックランプ出力。ダイアグノーシスのエラーコード出力にも使う。 |
EGW | OUT | 排気温ランプ出力。 |
SP1 | IN | 車速信号入力。ぶっちゃけスピードリミッターに使ってる。 |
IGSW | IN | イグニッション電源に接続。ECUがキーON状態を検知するのに使う。 |
A/C | IN | エアコンアンプに接続。エアコンアンプがコンプレッサー回してアイドリング上げろ〜っとECUに指示を出す線。 |
A/CMG | OUT | コンプレッサー起動信号。マグネットクラッチリレーに接続する。 |
STP | IN | ストップランプに接続。多分減速時のフェールカットの制御に使ってる。 |
ELS | IN | アイドルアップ指令入力。ライトやリアデフォッガーetcの高負荷電装を使うと12Vが入力される。 |
L1〜L3 | ? | TEMSのなにやらの線。シカトして構わない。 |
NE | IN | クランク角センサー入力 |
NE- | IN | クランク角センサー入力 |
IGF | IN | イグナイターからの点火確認信号 |
IGT1〜6 | OUT | イグナイターへの点火指示(DIだから6本) |
G1 | IN | クランク角センサー入力 |
G1- | IN | クランク角センサー入力 |
G2 | IN | クランク角センサー入力 |
G2- | IN | クランク角センサー入力 |
E01 | - | ECUのアース |
E02 | - | ECUのアース |
とまあ、こんなカンジの線が入ってるワケですわ。
さて、実際にマゴソで回してやるには、マゴソの1G-FEのハーネスから車体側に合うコネクターを毟ってきてマゴソに付けてやる。
そして、マゴソの配線図を見ながらECUに必要な電源であるBAT、+B&+B1、IG、STA、NSWを拾って接続する。
そうそう、JZA70のエンジンハーネスだとBAT、IG、+Bはエンジンルーム側のヒューズボックスへのコネクタに出ていたと記憶してる。
車内側には出ていなかったハズなんで、マゴソのヒューズボックスで同じ電源を拾ってやる。
次にEFIメインリレーとサーキットオープニングリレーをコントロールするFCとMREL。
これは普通に繋いでやるだけでOK。
JZA70とマゴソのサーキットオープニングリレーの内部回路が微妙に違うんだが、これはFCからの信号がきたらしばらくリレーの接続を保持するような回路がついてるだけなんで、難しい事考えずに接続してやるだけで構わない。
そしてイグナイターへ入る電源、これもマゴソのIG2から引っ張ってやる。
んでもってセルのソレノイドの線が車内側に出てきてるので、マゴソのST2に接続してやる。
本当ならマゴソにはスターターリレーが付いてるんだけど、今回は突貫で回す為にリレーを介さずに直結した。
っていうか今もリレー使ってないけど。(笑
最後にインジェクターの電源をマゴソのこれまたIG2から取ってやる。
これだけでなんか盛大に未接続の線があるけどエンジンは始動する。
あ〜コレで移動出来る・・・もしコレで始動しなかったら連休終わっても工場占領する事になるんで、徹夜してでもエンジン回して移動する必要があったのだ。(^^;
残りは後日にゆっくり配線してあげるだけ。
排気温センサーの配線、エンジンチェックランプのWと排気温ランプのEGW、車速のSP1、ストップランプのSTP、アイドルアップのELSは単純にマゴソ側と繋ぐだけ。
エアコンのA/CとA/CMGも普通に繋げば良いのだが、電動ファン化する場合はチョイと事情が違ってくるので後で説明
ちなみにオルタのLを繋がないと、キーONでも排気温ランプは点灯しないので焦らないように。
俺はハマりました。(^^;
で、1JZ-GTEはフェールポンプ回転数の制御が入るんだが、コレはJZA70からフェールポンプリレーとレジスターのセットを毟ってきてエンジンルームに取付け、ECUからのFPを接続し、マゴソのサーキットオープニングリレーからフェールポンプに行く線をブッタ切り、各線を延長してエンジンルームで接続してしまう。
但し仮でマゴソのポンプを使ってる場合はFPを接続しない方が良い。
でないと能力の足りないポンプを低回転で回してしまうので、燃圧が足りなくなる恐れがあるからだ。
ちなみにマゴソ後期にJZA70のフェールポンプは完璧ボトルポン可能。
けどポンプへのサービスホール開けただけでは交換出来ないので、タンクを降ろす必要有り。(--;
で、オルタネータの電源周りなんだけど、1JZ-GTEはオルタが右側に移動してる。
移動に伴い、オルタB端子の線を左側まで延長してあげないとダメ。
俺はJZX81のハーネスからこの線を毟り、コルゲートチューブに入れてフロントクロスメンバー辺りのハーネスに沿わす格好で左側に通し、マゴソ側のB端子に接続した。
B端子には大電流が流れるんでしっかり配線しないと火が出る可能性があるんで確実に!
残りのIG、L、Sはエンジンハーネスのリレーボックスへのコネクタに出てるので、ココで接続してあげると良い。
これでチャージインジケーターも点灯するようになるんで、後は水温計センサーの線を繋ぎ、バックランプの配線なんかも接続する。
マゴソがATの場合、メーター電源とシフトポジションスイッチのRを接続してやる。
イグナイターからタコメーターパルスPが出てるんだけど、とりあえず普通に繋いでおこう。
このままだとタコメ回らないんだけど、これは回す方法があるので後ほど。
え〜とこんなモンでエンジンの配線はOKだったハズ。
全てのセンサー、補機類が完璧に作動する状態にしても、案外配線余ったりするんだよね。(^^;
全部探してるとキリが無いので、1JZ-GTEの配線図から必要な線をピックアップし、繋いだのを確認しとけば余ってもOKでしょう。
俺はそうしてます・・・なんか気分悪いんだけどねぇ。(^^;;;
最後に数点アドバイスするとすれば、
- 配線図と配線図の線色は過信するべからず
結構間違ってる箇所あるモンです。(^^;
それと全く関係の無い線なのに同じ線色というのは山程存在するので、必ずテスターで確認する事。
- 同じ線色同士繋げば良いって訳じゃない
結構誤解してはる人多いんだけど、同じメーカーといえど全く同じ線色とは限らない。
やはりある程度は回路を理解する必要アリ!
- 配線内容のマーキング
例えばエンジンハーネスからイグニッション電源を探り出したとしよう。
で、探り出して車体側を探る前に、線にテープを巻いて、「イグニッション電源」なんてカンジで配線の内容を書いておくのだ。
そしてテープの色をマゴソ側、エンジン側で変えておくともっと判りやすい。
手間だけど非常に結線ミスを減らせるのでオススメ
- 配線済んだら配線図にマーキング
スワップしたエンジンの配線図をコピーしておく。
で、配線の行き先が確定して実際に繋いだら、コピーした配線図に蛍光ペンを使ってマーキングしておくのだ。
こうしておけば既に繋いでる線を再度探しまくってガッカリしたり、未結線の線をイチから探り出したりせずに済む。
- とにもかくにもまずは電源とフェールポンプ
何度も書くけど、エンジン〜ECU間の配線はほぼ全て繋がってるので忘れてヨシ。
全て配線繋がなくて良いから、とにかく必要な電源を探して入力し、フェールポンプさえ回してやればエンジンは始動する。
とまあ、ECUの配線は電気知ってりゃ難しくは無いんだけど、電気知らなかったら
気合と壊す覚悟
で頑張るしか無いでしょう。(^^;