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炎魔焦熱地獄零弐號機(液体燃料化試作機)

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燃焼試験の素晴らしい成功に興奮して

我慢汁全開

だった俺は、後先考えずWeb用の写真を撮るのも忘れ、 とりあえず先程の燃焼機をレガシーのタービンにくっつけてみた。
で、零壱號機で使った

やかんオイルタンク

を仮設で取り付け、早速ブン回してみたのだ。
結果・・・

ビデオを回していなかった事を
激しく悔やむ程

凄まじく成功したと同時に、

凄まじく失敗

したのであった。

まずカセットボンベ液化状態での始動は失敗。
さすがにレガシーの結構デカいタービンではカロリーが足らんようで、 カセットボンベとは思えぬ程勢い良く回るが、起動には至らなかった。
タービンのサイズを下げれば・・・軽のタービンなら持て余すだろうから、 1000ccクラスのタービンが良いかもしれず。
GZ20ソアラの1G-GTEツインターボ辺りなら十分回るだろうし、軽のタービンだと

完全に持て余す

やもしれない。

で、その後灯油も使ってみたら・・・もうあっけない程アッサリ起動した。
でも全然バルブ開けて無いんだけどなぁ・・・もうちょっと開けてみようかなぁ・・・
と思ってたら俺の厨房時代からのツレ、市川河川敷に妻鹿ネズミーランド建築を企む自称妻鹿のジャーナリスト、CB900F馬鹿のメガカイトが現れた。
「おいコラ、ちょっとコレ持っとけや」と、灯油の桶に入れてたホースを押さえるのを無理矢理手伝わす。
「し、白井よ、何すんねん?ホンマ何やねん?」と不安を訴えるメガカイトをシカトし、俺はカセットボンベで予熱を開始する。
そして灯油のみの運転に切り替えた事に悲鳴が上がる。

し、しらい〜!ホンマ大丈夫やろなオマエ〜!!

もう俺はそんな事聞こえちゃいない。
チンコヒクヒクさせながら完璧に自分の世界に没頭していたのだ。

どんどんエスカレートするスロットル。
時々台ごとズルっと動き出すエンジン。
コレは凄まじいパワーだ・・・もう止まらない・・・ハァハァ(´д`;
液体燃料による未体験パワーの迫力は、俺の

理性まで吹き飛ばした~

のだった。
興奮の絶頂の俺に身の危険を感じたメガカイトは泣き叫ぶ。

ホンマやめてくれ〜!
めっちゃ怖いんじゃ〜!!

&256x(42){じゃかぁしぃ!
今手ぇ放したらオマエ
火ダルマやぞアホ!!}:

しかしメガカイトの直感は当たったのだ。
その時、突然白い煙が回りを包み、俺の視界を遮った。
本当に何が起きたのか訳が解からず、とりあえず燃料ポンプを止める為にバッテリーのケーブルを無意識で引き千切った。
煙が晴れてくると・・・メガカイトは青い顔して完璧に言葉を失っていた。
俺が何や〜とタービンを覗いてると、メガカイトは叫んだ。

し、しらい!オマエ血ぃ出とるぞ!!

普通ならココで血を見て真っ青になり、恐怖で泣き叫ぶのが普通であろうが、俺はもうダメなのかも知れない。
ケガよりも、タービン吹き飛ばす程のパワーを絞り出せた事の方がその時は重要であったし、ソレ以上にページのネタの方が重要だったのだ。
やおらにデジカメを引っ張り出して来て

おい!このケガ写真撮れ!!

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もう最低な男である。

一言目がそれかいコラ!

とブチ切れるメガカイト。
消毒液をブチ撒け、ティッシュで親の仇のようにキズ口に刷り込まれてしまった。
メガカイトはヒジョーに機嫌を損ねたようで、この実験には今後

何があっても付き合わない

と断言されてしまった。(当り前
むう、この迫力と感動がわからないなんざ、もうキンタマブラ下げてる価値なんざね〜なと言うと蹴られてしまった。

期待してたみんなホントにゴメン、本当はチョットだけ回して止めて、キチンと作って正式版初號機とする予定だったんです。
それから写真だってビデオだって、もっともっと撮る予定だったんです。
でもあまりにも凄まじい迫力で我を忘れてしまった・・・
液体燃料化はそれだけの迫力と危険を秘めていると申し上げておこう。

で、ケガの治療が終わり、現場に戻ってみると・・・

後ろのガソリンタンクは既に燃料抜いたモノなので気にしないこと。(笑
コレがブツのクローズアップ。

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やおらにコンプレッサー側を覗いてみる。
あれ?なにか足りんぞ?

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本来ココにあるべきモノは、変わり果てた姿で俺の居た背後に転がっていた。

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そしてタービン真横のアップ。

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もしも〜し?

コンプレッサーハウジングが吹き飛んでるのだ。(^^;
そう言えばチラリと見たブーストメーターは2キロを超えてたやもしれん。
ソコにシャフトがブチ折れ10万回転を超え狂ったように回るアルミの塊が解き放たれたらこういう事になるのだ。(^^;

後日タービンを分解し探りを入れてみる。

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削られたハウジング。
アルミ同士で削られたハズなのにここまで削られる・・・

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真っ二つに割れたコンプレッサー。
こうも見事に砕け散ったらアッパレである。
もし首に刺さったのが破片でなくて、この塊だったら・・・きっと &256x(42){頚動脈ブチ切られて 病院に担ぎ込まれてるだろう。
入院してたらゆっくりプラン練れたやもしれん。
で、タービンシャフトと合わせてみると・・・

jet024_10.jpg

ブチ折れてるのがわかるだろうか?
この折れたトコからネジになってて、ナットで押さえ込むようになってるんだがもう完璧にネジが無くなってる。

jet024_11.jpg

コレがブチ折れた原因は・・・う〜んオーバーブーストかオーバーレブか・・・
それともスラストメタルを削ってタービンが押されてコンプレッサーがハウジングに当たったのかもしれない。

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コンプレッサーハウジングを止めてたトコ。
実はコレ、ほぼ半周に渡る爪がボルト3本で止まってて、残り3本は小さな爪で止まってたのだが、ハウジングの向きを変えた際にパイピングがついてた半周の大きな爪を取り去り、小さな爪3つと残りはボルトの頭のみで押さえてたんだけど、見事に圧に負けて吹き飛んでるのだ。
いくらケチったとはいえ、それなりに頑丈に止まってるハズのコレを吹き飛ばすとは恐れ入った。

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タービンシャフトメタル付近。
決して無傷ではないが、焼き付いてるワケではない。
10万キロ走ってるタービンだから普通こんなモンだ。
運転時間も短かったし、潤滑もソコソコ出来てたみたいだからね。
という事は少なくとも焼きつきが原因では無いって事。
それよりも気になるのがココである。

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ココはコンプレッサー裏のフタなんだが、見事に削られてしまってる。
なぜココがココまで削れるのかがわからない。
あとスラストメタルの状態を見たかったのだが、残念ながら手持ちの工具では歯が立たなかったので諦めた。
でもタービンシャフトを見る限り、スラスト方向のダメージも思った程無いと思うんだけどね。

正味正確な原因は不明だけど、間違い無く言える事は

極端なオーバーレブと
ウェイストゲート殺し

がマズかったと思うのだ。
灯油化による凄まじい馬力アップは、2000ccクラスのタービンなんざ軽く吹き飛ばせる程の威力であり、更にウェイストゲートを殺す事により簡単にオーバーレブさせ、シャフトの限界を越えてしまえるっちゅ〜事ですな。
今後はキチンとブースト圧と回転数の管理が必須だし、ウェイストゲートは

絶対に殺してはならん

っちゅ〜事ですわ。
ま、それよりも

理性を養う

のが俺の場合急がれる対策やもしれん。(^^;
しかし液体燃料による未体験のパワー・・・コレを味わったらもうガスには戻れない・・・(ハァハァ
しかしやっぱりここは1つ、ゴノレゴ氏に小一時間語って頂きたい。

液体燃料は凄まじい馬力と引き換えに
かなりの危険を伴う諸刃の剣


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